ドゴン10面体のクリア玉、胎の一部に小さな気泡、胎に細い多数の筋

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商品の説明

本品は、薄黄緑や薄紫でない、クリスタル（水晶）のようなクリアで、胎の側面上下に各4面を成形し、1面は底辺を含めて5角形となります。
　側面に8面、上下を加えて10面のドゴン・ビーズです。胎の表面には、小さな気泡が確認できますが、気泡は小さく数も限られ、表面のざらざら感は見られません。胎の8つの表面には、筋状の細い線が胎をぐるりと巻く形で残っています。
　マリにだけ流入しているボヘミア・ガラスで、16〜18世紀に製作されたとされ、気泡が小さく、表面のざらざらがないため、この型のビーズのうち、やや遅れて成形されたものと考えらます。とはいえ、筋状の細い線が胎をぐるりと巻く形で残り、比較的融点が低い状態で成形された、18世紀頃のクリアなドゴン・ビーズです。
　ドゴン・ビーズは、ドゴンの人々の間で相続・威信ビーズとして極めて愛好されました。
　ボヘミア以前の、初期のオランダ製ドゴン・ビーズは巻きビーズで、１つの特徴として細い線が残るか、跡がかすかに残るとされています。本品で細い線が残る状態に類似します。また、本品では、とくに孔（上部）の周囲には、芯を軸にガラスを巻いた、段差の跡がみられ、他方の孔は、ほぼ形ですが、体が4面に成形されているため四角の孔のように見られます。
本品を横や孔をみますと、芯の周辺が白くなっていることが分かります。芯の周辺が白くなる特徴は、マリにだけ流入した、16～18世紀のボヘミア・ガラス製のこの型のビーズに見られ、本品でも確認できます。当時の剥離剤が今まで残っていたとは考えられず、白いものは銀化しきっていない侵食痕とされ、ガラスの表面が粉状に剥離しはじめたときに生じたモノと聞いています。ガラスの表面が粉状に剥離しはじめた状況を伝えてくれます。
　ジェンネから約200キロ北東に、ドゴンの村があります。ドゴンは1890年代に侵入したフランスと最後まで戦って敗北したけれども、僻地の勇者でした。また、ドゴンの人たちは、テラコッタの紡錘車を今日でも用いているようです。ドゴンの神話では、紡錘車は地上に子孫を創った天上の鍛冶職人と関わり、紡錘車の回転は、太陽を動かす力とされます。
　本品は、ドゴンの歴史と文化をも伝える、横線が印象的な、手練り風のクリアなドゴン・ビーズです。
　
　サイズ：高さ　約9㍉、幅　約10㍉、孔径　（上）内系　約3㍉、（下）外径　約4㍉